挨拶、呼称、礼の表現・・・ 胡・甲南大教授が論文

日中のコミュニケーション こんなに違う

挨拶 甲南大学(神戸市)国際言語文化センターの中国人教授、胡金定(こきんてい)さん(47)が、挨拶、呼称、礼の表現など7つのコミュニケーションにおける日中間の相違を解説した論文「言語と文化-日中コミュニケーションの違い-」(第7号)をまとめた。

日本でもよく知られる「ニイハオ」とういう挨拶は中国ではあまり使われていないことや、プレゼントされた際に繰り返しお礼を言うと中国人からは「もっと欲しい」と思われるなど、日中のコミュニケーションの違いを実例を通して紹介している。
「ニイハオ」は初対面の人同士の挨拶用語で、親しい間柄で使うと他人行儀で水くさいと思われるという。その背景には中国人は決まり切った挨拶用語を使うのを嫌い、その場の状況に合わせて臨機応変にあいさつを交わすのが特徴と説明している。

また、中国では経済の発展に伴い、「近ごろ、儲かりましたか」と、大阪人を彷彿とさせる挨拶が交わされていることや、離婚率が急上昇していることから若者同士で「まだ、離婚していませんか」とユーモアを込めて挨拶が交わされているという。
電話の会話では「日本人はまず自分のことを相手に明らかにする」のに対し、中国人は「自分は名乗るほどのものでないという謙遜の意識や、自分の名前は神聖で特に姓は一族の家宝として、まず相手の名前を聞く」としている。

胡教授は「日中が国交回復して30年が経過し、両国の関係は深まるばかり。お互いに理解しあうにはスムーズにコミュニケーションができるのが基本です」と話している。

大阪日日新聞・2003年7月31日

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