歴史とお酒の中国旅行(1) Page3/4

覇王祠・項羽像 翌日の朝、中国時間6時にモーニングコールをホテルに頼んだのだが、どうしたことかコールがない。たまたま筆者が6時半に目が覚めて、急いでメンバーを起こし、チェックアウトを済ませ、時間的には早いので、朝食はホテルが事前にお弁当を用意してくれるとガイドさんに聞いたが、フロントに尋ねてみたら、これも用意が出来ていなかった。ガイドさんの尽力でホテルが慌てて作ってくれた。それから用意していたバスで廈門高崎国際空港に向かった。幸い渋滞ではなかったので、7時55分MF8507便の飛行機には間に合った。こんなハプニングに遭って、みんな一瞬緊張が走っていた。

飛行機は1時間半で南京空港に到着。そのまま現地ガイドの馮さんが用意してくれたバスに乗って安徽省烏江鎮に急行した。南京から片道で2時間にある烏江鎮は項羽が劉邦に敗れて、故郷に逃げていた途中、長江が前に横たわっているところである。長江の対岸には項羽の故郷がある。
烏江鎮まで逃げてきた項羽は心身がぼろぼろで、目の前には地元の長官である烏江亭長(ていちょう)が用意していた小船と疲れ果てた戦力のない僅かな兵士だけである。また、劉邦の将軍に追われていて、惨敗のあわれな姿では故郷に戻りたくない。彼は烏江亭長に自分が使っていた愛馬の「烏騅馬」だけを故郷に帰らせるようにお願いして、愛馬の「烏騅馬」が長江を渡るのを見届けた後、自決した。
烏江鎮には覇王祠(はおうし)、項羽が自決した状況を再現した様々な施設があるが、田舎であるので訪れる人は少ない。もちろん外国の旅行客はもっと少ない。ガイドさんの説明と歴史書で描かれていた情景を照らしあわせて想像し、当時の壮絶な情景が目の前に浮かんできた。

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