エスペラントは世界を照らす 日中友好に果たす役割も大 Page1/2

ピタウ大司教らが講演 第54回関西大会・尼崎市で

6月10・11の両日、兵庫県尼崎市の英知大学を会場に開かれた「第54回関西エスペラント大会」の開会式。大会には235人が参加し、2日間にわたってエスペラントの学習や各種の発表を行った。

「第54回関西エスペラント大会」が、6月10・11の両日、「エスペラント・言語世界への灯台」をテーマに、尼崎市(兵庫県)の英知大学を会場に開かれた。 初日の一般公開講演(日本語)では、宗教協力や世界連邦運動を通じて、人類愛善会・大本との親交も深い、元上智大学学長で前ローマ教皇庁(バチカン)教育省局長のヨゼフ・ピタウ大司教が「ポーランドからの輝き― ヨハネ・パウロ2世とエスペラント」のテーマで講演。 また、胡金定甲南大学国際言語文化センター教授が、「東アジアの文化交流の課題と言語問題」のテーマで講演した。

第二外国語として

ヨゼフ・ピタウ大司教 ピタウ大司教(写真右)は、最初にエスペラントであいさつ。この日、初めてエスペラントを口にした、という大司教の流暢な話しぶりに、会場は沸いた。

大司教は、バチカン教育省局長時代に、前教皇の故ヨハネ・パウロ2世の側近として勤務。その間、 100カ国以上を訪問したという。そうした体験から、前教皇の思い出やエスペラントへの思いを、日本語で次のように語った。

「人類は、顔形、目や皮膚の色などが違っても、同じ神の子として、お互いにほほ笑むだけで、気持ちは通じます。しかし、全世界が一つの言葉で結ばれたなら、世界はもっと平和になるでしょう。私もぜひ、エスペラント運動に参加したいです。カトリック界では、エスペラント運動の創成期からそれを支持し、取り入れてきました。毎年クリスマスには、パウロ2世はエスペラントでもあいさつされましたが、ほかにも64カ国の言葉であいさつしなければならず、見ていて気の毒でした。世界の人々がエスペラントを第二外国語として学べば、素晴らしいでしょう」

また、心と言葉の関係について、「今の世界では、同じ言語を話す者同士がひどいことをしています。それは、言葉に心と行いが伴っていないからです。外面でなく、相手の心を見て、お互いに兄弟姉妹であることを深く知る所まで到達しないと、同じ言葉でもけんかをしてしまう。エスペラントは、自分の国を中心にしない、利害関係の入り込まない言葉です。いちばん大切なことは、エスペラントが『愛の言葉』だということです」と語った。
最後に、日常で大切な平和のための行いは、「ささげること。大和心でもある、思いやること。そして、ほほ笑みを表すことです」と語った。

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