現在の中国は刻々と変化している。よく中国に出入りしている方は身をもって感じているだろう。その急速な変化には驚くものがある。
外国人だけでなく、海外に住む中国人もびっくりする。インフラ、居住環境、街の様子などに限らず、中国人の生活習慣、ものの考え方、価値観にも及んでいる。
日本の大学で中国関係の教育に携わっている教員にとっては、リアルな中国像を掴むのは至難の技である。
そこで、教育の現場で学生たちに現実の中国像を正しく伝授する一翼を担おうと、「中国事情」の授業を担当している教員たちが力を合わせて作ったのが本書(※1)である。
本書は現在の中国・中国人を理解するための入門書と位置づけている。中国・中国人の「現状」にスポットを当て、
大学生の生活、一人っ子の実態、家族、中国の女性、交友関係、余暇の過し方、IT事情、現在中国国内で話題になっている
「農民工」、環境意識の変化、飲食、住宅、中国のホワイトカラーなど12のテーマを取り上げた。
大学の1年間の講義で使うことを前提に、12課から構成している。年間30週間の授業の場合、12課からなる1課を2回の授業で行い、通算24回で終える。
残り4回は担当教員の裁量による自由授業に、残りの2回は前期1回、後期1回の期末試験に充てる。
また、中国に関心のある一般の方にも、現代の中国・中国人が理解できる書物として、自信を持ってお薦めする。
本書はテキストのほかに、録音CDと教授用資料がある。教授用資料は甲南大学非常勤講師の山添秀子先生によるものである。
編集に当たって、朝日出版社第一編集部中西陸夫部長からさまざまな助言を頂いた。ここで謝意を表したい。
著者 2008年 4月
※1 当サイトは朝日出版社発行の中国語学習教材「アクティブ中国語」を基に作成されています。